◆発達と保育

戦後の保問研では、子どもの人格の発達を保障することが、保育という営みの基本だと共通理解されてきました。それを基本に、人間だけが持つ特徴をしっかり踏まえ、子どもの人格発達の法則を明らかにしながら、その発達を仲立ちする保育の在り方を深める努力をしてきました。
その中で、人間を生物一般と同列視する生物学主義を乗り越え、人間の特性にのっとって、子どもは生まれ持った能動性を基礎に、社会や文化に仲立ちされて 人間になることを明らかにし、その中での子ども集団の持つ教育力の重要性を、「伝えあい保育」や「集団づくり」の討論をとおして明らかにしてきました。
保問研の会員はまた、この立場から、産休あけ保育・乳児(0歳児)保育や障害児保育についても、早くから困難な中で取り組み、先駆的役割を担いました。

◆保問研の指導論

保問研は、子どもが人間として発達するとはどういうことか、人格的な発達の筋道はどうなっているのかを研究し、自然成長主義や、訓練万能主義の指導論を 乗り越えてきました。保育における指導とは、子どもの持つ能動性(やる気)を拠り所としながら、発達の筋道に沿って、その子どもの最も近い発達課題を丁寧 に提起し、子どものやる気に方向付けを指し示すことに他なりません。
これを基礎に、まずありのままの子どもを受容しながら、子ども自身が新しい自分を獲得すること(人格発達)を大切にし、楽しい充実した生活やあそびの中で、伝え合いをとおして、子どもたちが豊かに育つ指導論を追求しています。

◆保育にロマンと科学を

保育は、次の時代の担い手を育てる営みです。それは、歴史を創るという壮大な営みでもあります。保育は、子どもたちにこんな人間に育って欲しいという願 いを込めた、ロマンに満ちた営みです。しかし、そのロマンが、主観的願望だけのものなら夢物語でしかありません。ロマンを裏打ちする科学的研究と結びつく とき、保育は本物になり科学になります。保問研はそれを目指しているものです。また、その立場から、保育制度の民主的発展のための様々な提言も行ってきま した。